学位授与/カリキュラムの方針

学位授与に関する方針

数理科学プログラムでは、以下に掲げる能力を身につけることにより、プログラムの理念に基づく教育目標を達成したと判断します。プログラムの定める教育課程により、所定の授業科目を修得し成績基準をみたした学生に、学士(理工学)の学位を授与します。合わせて教職に関する所定の授業科目を修得した学生には、申請により第一種教員免許(中・高:数学)が授与されます。

  1. 基本的な人間力
    • (a) 広い範囲の学問に対して基礎学力を備え、日常生活に活用することができる。
    • (b) 自分の意見を明確に述べるとともに、他者の考えを理解しようと努力することができる。
    • (c) グループとして目標を共有し、協調して計画的に達成することができる。
  2. 社会人としての素養と責任
    • (a) 自ら学習目標を立て、新たな知識や適切な情報を取得し活用することができる。
    • (b) 自然科学の社会へおよぼす影響を理解し、人間と自然が共存共栄していくための方策を考えることができる。
    • (c) 国際社会で活躍するに足る語学力を身につけている。
  3. 専門的な知識とその活用力
    • (a) 数学に関する基礎知識や基礎技能を備えている。
    • (b) 正しい論理の積み重ねにより議論を進めることができる。
    • (c) 抽象的な対象に対して、具体的なイメージを思い浮かべることができる。
    • (d) 与えられた課題や自ら見つけた課題に対して、数理的 な専門知識に基づいて、課題を表現・理解し、多角的、総合的な考察に基づく解決法を提案することができる。

カリキュラムに関する方針

数理科学プログラムでは,その教育目標を達成するために,以下の基本方針にしたがって教育課程を定めます。

  1. 文系理系の違いにとらわれずさまざまな学問分野に興味と関心を持たせるとともに,数理科学の世界に閉じこもることなく,他分野との協調・他分野への応用について意識を広げさせます。そのために,教養科目における自然・科学の分野以外からの履修や,理工共通科目における他の自然科学や工学系からの履修を奨励します。
  2. プログラムの基幹教育は,高大接続から大学院への展開までを視野に入れ,基盤の充実を第一に考えます。そのために,科目数を絞ってスタンダードな内容を確実に修得させます。基礎を固める上で特に重要な科目は週2コマの体制にし,「講義科目」に加えて「展望科目」を附置します。「講義科目」はアクティブ・ラーニングに対応するために演習の要素を加味します。「展望科目」は講義の補足・補充,演習の充実,発展的内容の展開を目的とした総合科目にします。
  3. 初年次からの微分積分と線形代数はすべての分野の基礎となるので,徹底して数学の考え方を身につけさせます。そのために,特に重要な科目に「展望科目」を附置します。
  4. プログラムの基幹教育においては,数理科学を6分野(代数学,幾何学,解析学,応用数学,統計科学,情報科学)から構成されると考え,それぞれを同等の重みで扱い同数の科目を設置します。各分野とも包括的な内容を含む科目を配置してすべての学生に修得させます。学生は3年次以降に自身の興味に応じて専門を絞っていくことになりますが,個々の分野が相互に影響しあって数理科学というひとつの構造物が構築されていることを認識し,主専攻分野以外にも努めて第二,第三の分野にも関心を広げるように奨励します。
  5. 社会生活への順応,学術上の国際化に配慮して,将来設計や英語の利用を目的とした科目を配置します。社会における科学の役割と影響力を理解し,複雑化する社会を生き抜くために自ら学び続けられることが必要だからです。同時に国際化社会を生き抜くために,言語を通して情報を受信する力,発信する力能力を養成します。